MadameWatson
マダム・ワトソン My Style Bed room Wear Interior Others Risacolumn News
HOME | 美しいテーブルウェア | 上質なベッドリネン&羽毛ふとん | インテリア、施工例 | スタイリッシュバス  | Y's for living
リサコラム
本日のオードブル

"チップ税" 
木村里紗子のプロフィール

マダム・ワトソンに1990年より勤務し、400名以上の顧客を持つカリスマ販売員。
大小あわせて、延べ1,000件以上のインテリア販売実績を持つ。
著書”シンプル&ラグジュアリーに暮らす”(ダイヤモンド社)(06年6月)がある。
道楽は、ベッドメイキング、掃除、いろいろなインテリアを考えだすこと。
新リゾートホテルにいち早く泊まること。
15年来のベジタリアン。ただしチーズとシャンパンは大好き。甘いものは苦手。
アマン系リゾートが好き。好きな作家は、夏目漱石、檀ふみ、中谷彰宏、F.サガン

     
      ”ゾウは飽きたから、ママチャリにしてくださる?”

 

       
"チップ税"

ホールの隅っこのコンシエルジュデスクで、ウイングローブは、いつものように

運転手つきの車の
手配やオペラのチケットの手配を受けていた。すると、ある客

が「ゾウを手配して欲しい」といってきた。もちろんウイングローブは冷静にただ確

認するために「ゾウ、でございますか?」と聞き返す。客は念を押すように「インド

ゾウでなくては困る。アフリカゾウならいらないからね」と付け加える。そして友人

たちをゾウに乗せてリージェンツパークを一回りしたいからとその理由を述べる。

コンシエルジュのウイングローブの黒い手帳には貴重な電話番号のコレクション

がある。射撃場、かけはぎ屋、あらゆる国の言葉が話せる買い物代行屋、レンタ

ルヘリコプター、民間ジェット機の賃貸、馬車にいたるまで。彼は、アラビア湾か

らの顧客の電話で、「私がラクダを持ってきたとしたら、どこに預かってもらえるだ

ろうか?」と聞かれたこともある。だから、今回もウイングローブはあらゆる手段で

その“ゾウの手配”に努力する。しかし、リージェンツ・パークをゾウで乗り回すに

は、役所を駆けずり回り、『お役人の形式主義と懸命に戦わねばならない』それ

でも、彼はがんばるつもりだった。しかしそれを聞いて客は興味を失った。ザ・ホ

テルでの40年あまりの生活の中で、顧客から始めて『ゾウをキャンセルしてくれ』

といわれたのだった。

「ザ・ホテルー扉の向こうに隠された世界」(ジェフリー・ロビンソン著/春日倫子

訳 文春文庫)
世界の国賓、富豪、著名人たち顧客のあらゆる難題をこなし、

伝統と格式を保ち続ける世界でも最高級のホテル、ロンドンの“クラリッジス”

(Clarige
s)そこに五か月滞在した著者によるノンフィクション。支配人を始め、

シェフ、コンシエルジュ、その他ホテルマンの苦闘する人々のすべてが実話。そ

れはつまり、朝食の注文を部屋に聞きに来たウエイターから始まる。彼は注文を

聞くとすぐに、配膳室のコンピュターに入力する。それと同時に、自分のメモにも

取っておく。翌朝、その客から「昨日と同じものを」と言われた場合にそなえるた

め。そしてウエイターは、朝食サービスの後、配膳室を洗い清め消毒し、床にた

わしをかける。それを昼食サービス後もう一度繰り返し、夕食サービス後もう一

度繰り返す。その“労働集約型ビジネス”のおかげで、宿泊客はベッド脇のボタン

を押すだけで、「タキシード姿の男があらわれ給仕してくれることにうっとりデカダ

ンな味わいを楽しむ」ことができる。「そうでなければ、一杯のジュースとコーヒー

2杯、トースト2枚が15ポンド(約3000円)もするわけがないではないか?」そう

クラリッジスのレストランのオーダーの4割がメニューにない料理ということからも

彼らの日々のすさまじさがわかる。
                                  


A様の友人がB様。そのダンナさまは学生時代からC様とは親友。C様の息子さ

んの結婚相手のD様に出産祝いを贈りたいけど何がいいかしらとA様が相談に

こられる。A様は、C様を知らない。さてと、ここで問題発生。Cさまはある地場の

タオルメーカーの社長さん。ベビー用のおくるみタオルは、だめ。それではと、「が

んばったお母さんのDさまにネグリジェとローブにシルバーのフォトスタンドを添え

たらどうでしょうか?」と答える。「出産祝いのお返しの追加を」と簡単に注文を

受けるときのために、赤ちゃんのお名前と苗字をメモしてそれを覚えておく。そし

て女の子の時には白地にピンクのロゴ入りのもの。男の子にはブルー地に白地の

ロゴ入りのもの。だから、マダム・ワトソンの包装紙は2種類。よく来られるお客さま

の家系図、結婚後の姓、相手の職業、生まれた赤ちゃんの名前、新居の住所、

友人関係、職場関係、趣味関係のつながり。くもの巣のようなつながりを頭に入

れながら、だからといってパソコンのデータに細かく入っているわけでもなく、先日

はお母さまが入院され、今月はダンナさまのお姉さんが入院され、お子さんはオ

ーストラリアに留学中だったわ、と思い出しながら、「看病続きで、きっとお疲れで

しょう?お嬢さんはいつ帰ってこられるのですか?」と話をします。「去年、クリス

マスに送った部屋着が気に入ってもらえたから、そんな感じの部屋着にバース

ディカードを添えて直送してもらえませんか?」と電話で注文を受けると、簡単な

イラストにメッセージをそえて、中のシックな部屋着に合わせてブルーの包装紙

で包み、白とマリンブルーのリボンをかけ宅配の準備をし、請求書を会社宛に送

るための封書にコメントを添えて送ります。私たちの仕事は限りなく、ホテルのコン

シエルジュにそっくりで、手配するものが“ゾウ”ではなく、“癒しの寝室”だったり、

“どう見てもパジャマには見えないおしゃれな普段着”だったりするだけです。こ

の本を書店で買ったのは4年前、真冬の日本から真夏のプーケットのビーチリゾ

ートに出かける前でした。空と海の境もあいまいなミントシャーベット色、長く美し

い砂浜のエッグシェル。それ以外の色が目にはいらない世界で読むためです。

デッキチエアに寝そべって読んだ400ページのこの本は、南の島の非日常から

の社会復帰を円滑にしてくれました。
                               


そのブルー&ホワイトの美しい世界で私は1つのアイデアを思いつきました。“チ

ップ税”という発想でした。ホテル、レストラン、美容室で、特別な注文をつけると

き、そのスペシャルオーダーに対する“チップ”を支払うのが私はまた好きです。

今は混雑しすぎていてできませんが、2年前マダム・ワトソンの斜め前にできたば

かりのフレンチレストランに、お昼は足しげく通っていました。日替わりランチがお

肉のときは、野菜たっぷりのパスタとかに変えてもらったり、デザートをチーズに変

えてもらったりもしました。そんなときも、必ずちょっとプラスした金額をテーブル

に置いて席を立つようにしています。チップは、“ぽち袋”に入れて渡すと、なか

なかスマートに渡せない日本人に向いているし、海外ではすごく喜ばれる”と、

田中康夫さんの本に書かれていました。自家製の野菜、お花、お菓子、手作り

ジャム、手作りアクセサリーと私も私たちもたくさんのチップを毎日いただきます。

でも、街中でちょっと知らない誰かのお世話になったり、レストランやホテルで、

いいサービスに出会っても、手土産のお菓子の用意もなかったら.。“チップ”とい

うコインがあれば、現金の生々しさがなく、感謝の気持ちを示すことができないだ

ろうかと思います。たとえば300円のチップを金融機関やコンビニで買ったら、そ

のうち3%がコンビニや金融機関等の手数料。残りの7%が税金として年金や福

祉の財源に当てられる。一定限度以上のチップを買った人には減税もされる。

もらった人は270円のお金を受けとる。あるいは換金せず、チップとして使い回し

てもいい。消費税をアップするより、”チップ税”なんて発想だったら、“とられる

税”から、“払いたい税”に変わるんじゃないかな、人々の気持ちも優しくなるん

じゃないかな、そう考える政治家の方はいないかな?なんてこの本を読んで以

来、“チップ税”がずっと頭から離れないんです。
                  



初めてリサコラムをご覧になられた方は、下のバックナンバーもぜひ、
ご覧くださいね。




















リサコラムに関する、ご意見、ご感想はこちらまで。→risaco@madame-watson.com


 お名前と、お差し支えなければ、ご住所も書き添えてくださいね。必ずご返事いたします。


                     

木村里紗子 Risaco




シンプル&ラグジュアリーに暮らす』
-ベッドルームから発想するスタイリッシュな部屋作り-                

(木村里紗子著/ダイヤモンド社 )                      

(Amazon、書店では1,500円で販売しています。)

マダムワトソンでは 
                                    
    木村里紗子の本に、自身が愛用する多重キルトのガーゼふきんを付けて1,800円にてお届けいたします。  
 
 ご希望の方には、ラッピング、イラストをお入れいたします。                                
    
    お申込はこちら→「Contact Us」           
                          


バックナンバー
           
・ 『人に見せたくないベッドルームの作り方』(1月12日掲載)
・ 『ウエディングスタイルで、あなたの人生はずっと輝く』(1月19日掲載)
  ・『泣きたくなるベッドルーム』(3月23日掲載)
 ・ 『ベッドメイク』(2月9日掲載)
 ・ 『部屋と藤尾とラベンダー』(11月3日掲載)..
・ 『私の部屋も、ホテルライク』(2月16日掲載)
・ 『ラ・フランスな気分』(12月29日掲載)
・ 『習慣の奴隷になりたい』(2月23日掲載)
・ 『すばらしき人生』(3月2日掲載)
・ 『ポスト・ハック・イアゴ,プロクター・ハック』(3月9日掲載)
・ 『ホテル宿泊も戦いの場』(2月2日掲載)
・ 『魔法使いになれなくてもいいの。鉄腕アトムだから』(11月17日掲載)
・ 『道楽者の条件』(3月16日掲載)
・ 『ラ・フランスな日記 紫敷布の巻』(4月1日掲載)
・ 『チャーリー・ブラウンとルーシー、そしてマシュマロ』(4月6日掲載)
・ 『おやつの女王』(4月13日掲載)
・ 『上を向いて歩こう』(4月20日掲載)
・ 『名探偵モンク』(4月27日掲載)
・ 『リゾートの小箱』(5月4日掲載)
・ 『メンテナンス力』(5月11日掲載)
・ 『ふかふかがたりない』(5月18日掲載)
・ 『おいしいインテリア』(5月25日掲載)
・ 『優先順位は知っている』(6月1日掲載)
・ 『夏の麻から』(6月8日掲載)
                         
・ 『俊介のダイニング』(6月15日掲載)
・ 『知的生活の方法』(6月22日掲載)
・ 『ブイヨン先生』(6月29日掲載)
・ 『MOTTAINAI』(7月6日掲載)
・ 『部屋とシーツと私』(7月13日掲載)
・ 『300字の風景』(7月20日掲載)
・ 『はらり、女ぢから』(7月27日掲載)
・ 『そうめんは固めにゆでて、やわらかく』(8月3日掲載)
・ 『一杯のコーヒーから』(8月10日掲載)




* PAGE TOP *
Shop Information Privacy Policy Contact Us Copyright 2006 Madame MATSON All Rights Reserved.